雪山の遭難─友の霊と共に生き抜いた「スクエア」の霊の存在と謎解き

冬の朝、五人の学生たちは雪山への冒険に出発した。彼らは同じ山岳部に所属しており、強い絆で結ばれていた。目指すは山の頂上で、そこには昔から伝わる伝説があった。その伝説とは、雪山の頂上で天に一番近い場所で夜を越すと、その者の願いが叶うというものだった。

出発時の天気は快晴で、雪山は美しい輝きを放っていた。しかし、昼ごろから突如として雪が降り始め、夕方には吹雪が吹き荒れ、視界がほとんどなくなった。それでも彼らは頂上を目指し、歩き続けた。

しかし、運命は冷酷だった。一人の学生が突如、頭に落石を受けてしまう。落石の衝撃はあまりにも強く、彼はその場で息を引き取ってしまった。残された4人の学生は、友達の死を悼みつつ、彼を背負って歩き続けるしかなかった。

遠くに見えたのは、小さな山小屋だった。4人は小屋に入り、死んだ仲間を床に寝かせ、吹雪が止むのを待つことにした。しかし、小屋は無人で暖房も壊れており、極寒の中で寝ることは、彼らにとって死を意味することだった。

そこで彼らは、「このままでは死ぬ」と考え、知恵を絞った。そして思いついたのが、「スクエア」だった。部屋の四隅に一人ずつ座り、一人が壁に手を当てながら次の場所へ移動し、次の人の肩を叩く。そして、叩かれた人が次の人へ、その次の人が次の人へと、この動作を繰り返す。この方法であれば、自分の番が来たら寝ずに済むし、次の仲間に回すという使命感で頑張れると考えた。

この方法で彼らは、何とか吹雪が止むまで持ちこたえ、無事に下山することができた。しかし、その後の話し合いの中で、一人の学生が疑問を投げかけた。

…

「この方法だと、一人目は二人目の場所へと移動しているから、四人目は二人分移動しないと一人目の肩を叩くことはあり得ないはずだ。それなのに、なぜうまく回っていたんだ？」

その言葉に、残りの三人も驚愕した。考えてみれば、その通りだ。どうして彼らのスクエアはうまく回っていたのか？それは謎だった。そして、その謎が彼らの中に深い恐怖を植え付けることとなる。

その晩、彼らはその謎について話し合い、次第に不安な気持ちを抱き始めた。四人目が二人分移動することなど、冷静に考えれば無理な話だ。しかし、彼らはその夜、明らかにスクエアを成功させていた。それは確かな事実だった。

一人が提案した。「もしかしたら、死んだ仲間が五人目として働いてくれていたのかもしれない。」

その発言に、他の三人は言葉を失った。しかし、その提案は彼らの疑問を解決する唯一の答えだった。彼らはその夜、亡くなった友人の霊が彼らを助けてくれたのだと信じることにした。

それから数年後、彼らは大人になり、それぞれ異なる道を歩んでいた。しかし、その事件は彼らの心の中で消えることはなく、時々、彼らは再びその夜の出来事を思い出した。

そして、彼らが大学を卒業し、社会人となったある日、その話は意外な形で彼らの前に現れることとなる。それは、一人が偶然見つけた古い書物の中に書かれていた一節だった。それは「スクエア」と呼ばれる降霊術についての記述だった。その降霊術は、五人が一緒に行うことで、亡くなった人の霊を呼び出し、その霊の力を借りて何かを成し遂げるというものだった。

その事実を知った彼らは、その夜の出来事がただの偶然ではなく、彼らが無意識のうちに行った降霊術によるものだと確信した。

…

彼らは、その古い書物を手に取り、再びその夜の事を思い出した。あの寒い夜、仲間を失い、四人でスクエアを行った。しかし、実際には亡くなった友人が五人目として働いていた。その事実に再び彼らは深い感動と恐怖を覚えた。

そして、彼らは決意した。もう一度、あの場所へ行き、スクエアを行うことにした。彼らはあの時のように四人でスクエアを行い、再び亡くなった友人の霊が彼らと一緒にいることを確認したかった。

再び訪れた雪山は、あの時と変わらず美しい景色を展開していた。彼らはあの時と同じように山小屋に入り、四隅に座った。そして、一人目が壁に手を当て、二人目の肩を叩き、スクエアを開始した。

彼らの期待と恐怖で心臓が高鳴る中、スクエアは無事に回り始めた。そして、四人目が二人目の肩を叩くとき、彼らは再びその存在を感じた。それは確かに、亡くなった友人の存在だった。

その時、彼らの心には確信が芽生えた。彼らはその夜、亡くなった友人の霊を呼び出し、彼の力を借りて生き延びたのだ。その事実を確認した彼らは、彼らが体験したことがただの偶然ではなく、確かな事実であることを実感した。

彼らはその夜、友人の霊と再び会話を交わした。その声は彼らの心の中で響き、彼らの疑問に答えてくれた。そして、彼らはその夜、友人の霊に感謝の意を伝え、彼に別れを告げた。

その後、彼らはそれぞれの道を歩み続けた。しかし、彼らの心の中には常にあの夜の出来事が刻まれ、彼らの行動を支え続けた。彼らは亡くなった友人の存在を忘れることなく、彼が彼らに遺した大切な教訓を胸に刻んだ。

…

彼らが体験した不思議な事象を元に、彼らは都市伝説を創作した。それは「スクエア」と呼ばれ、四人が一緒に行うことで、亡くなった人の霊を呼び出し、その霊の力を借りて何かを成し遂げるという伝説だった。

この伝説は彼らの口から口へと広がり、やがて一般にも知られるようになった。そして、その伝説はただの都市伝説ではなく、現実に起こった出来事だという事実は、伝説をさらに怖ろしく、魅力的なものにした。

彼らは都市伝説の中で、「スクエア」がうまく回るには五人が必要であると明記した。そして、四人しかいない場合、二人分移動することが必要であるとも書き記した。その事実を明記することで、彼らは亡くなった友人の存在を認め、彼が彼らを助けた事実を世界に伝えた。

その伝説は今もなお、多くの人々に語り継がれている。そして、あの夜の出来事は、彼らが体験した奇跡として、彼らの心の中に永遠に刻まれている。

そして、彼らはその後も山岳部に所属し続け、新たな学生たちにも「スクエア」の伝説を伝えた。亡くなった友人の存在を忘れることなく、彼が遺した大切な教訓を胸に刻み、それを次の世代に伝えていく。それが彼らが生きていく中で選んだ道だった。

彼らの体験は、都市伝説として語り継がれ、そして、彼ら自身が体験した「スクエア」の真実は、新たな学生たちにも伝えられていく。それが「スクエア」の伝説の起源であり、その伝説は今もなお、多くの人々に語り継がれている。

最後に、彼らは亡くなった友人に向けて、心からの感謝の気持ちを込めて、静かに手を合わせた。彼がいなければ、彼らはあの吹雪の夜を生き延びることはできなかったのだから。