昔々、ある小さな町で奇妙な噂が囁かれていた。その町には、見かけよりもずっと古い洋館があった。洋館の地下には、巨大な鏡を使った迷路が広がっていると言われていたのだ。何十年も前、鏡の迷路は観光名所として開かれていたが、ある事件が起こってからは一般人の立ち入りが禁じられていた。
ある日、少年たちが放課後にこの洋館を探検することにした。彼らは噂を信じ、鏡の迷路を見つけ出そうと情熱に駆られていた。夕暮れ時、少年たちは懐中電灯を手に洋館へと足を踏み入れる。古びた建物の中には、時代を感じさせる調度品や絵画が残されていた。少年たちは何度も迷いながらも、ついに地下へと続く階段を見つけ出す。
少年たちが地下へ降りると、そこには幾重にも張り巡らされた鏡が光を反射し、息をのむような光景が広がっていた。その鏡の迷路に入った瞬間、彼らは不安と恐怖に駆られる。奥へと進むほど、鏡に映る自分たちの姿がだんだんと変わっていく。まるで、鏡の中の自分が何か別の存在に取り憑かれていくかのように。
そして、彼らが迷路を進むうちに、奇妙な音が聞こえ始めた。まるで、遠くの誰かが助けを求めるような、か細い声。その声は迷路のどこかから聞こえてくるかのようだった。しかし、少年たちは鏡に囲まれた世界で音の方向をつかむことができなかった。
彼らは無事に迷路を脱出することができるのだろうか。その後、少年たちの運命に何が待ち受けているのか。
…
少年たちは、そのか細い声に導かれるように迷路を進んでいく。彼らが歩くたびに、鏡に映る自分たちの姿はますます不気味に変わり、周囲の空気も重苦しくなっていった。時折、彼らは鏡の向こうに見覚えのある姿を見つける。他の迷い子たちの姿だったのだが、どうやら彼らは鏡の中に閉じ込められ、彷徨っているようだった。
途方に暮れる少年たちだったが、その時、ある少女が現れた。彼女は、「私は鏡の迷路を脱出できる方法を知っている」と言った。しかし、その方法はあまりにも恐ろしいものだった。それは、迷い子たちの魂を犠牲にして、鏡の迷路に捧げること。その代償に、彼らは迷路を脱出できるという。
彼らは、仲間たちを救うために自らの命をかける覚悟を決める。少年たちと少女は、決死の覚悟で迷路の奥へと進んでいく。そして、ついに彼らは迷路の中心にたどり着いた。そこには、一面に広がる巨大な鏡があり、その中心には奇怪な紋様が描かれていた。紋様の周囲には、鏡に閉じ込められた迷い子たちの姿が映っていた。
少年たちは、少女の導きに従い、魂を犠牲にする儀式を始める。続いて、彼らは紋様に触れると、突如、光が強くなり、鏡の中の迷い子たちが解放される。しかし、その瞬間、少女が消えてしまった。彼女は、自らの魂を犠牲にして、少年たちを救ってくれたのだった。
悲しみに暮れる少年たちだが、約束を果たすため、鏡の迷路を脱出することを決意する。少女が遺してくれた力を信じ、彼らは無事に迷路から脱出することができた。
…
少年たちは、無事に鏡の迷路を脱出したものの、その心には深い悲しみと罪悪感が刻まれていた。彼らは、少女の犠牲を無駄にしないため、町の人々にその都市伝説を伝えることを決意する。その後、洋館は封鎖され、鏡の迷路への立ち入りが一切禁じられた。
時が経ち、少年たちは成長し、町に新たな風が吹き始める。彼らはそれぞれの道を歩んでいたが、心の奥にはいつもあの日の出来事が刻まれていた。そして、ある日、彼らはそれぞれの夢に少女が現れる。彼女は微笑みながら、次のように告げる。「私は鏡の迷路で閉じ込められていた魂たちの願いを叶えるために、あなたたちを助けたの。私の命は喜んで捧げたのだから、後悔することはない。私は今、別の世界で生まれ変わっている。あなたたちも、新たな未来を築いてほしい。」
少年たちは目を覚ますと、胸に宿る悲しみや罪悪感が薄れていくのを感じた。彼らは、自分たちの力で町を再生させることを誓い、少女の願いを叶えることを決意する。
時が過ぎ、町は再び栄え始める。洋館は再建され、鏡の迷路を記念した博物館として生まれ変わった。少女の犠牲と彼女が救った魂たちの物語は、次の世代へと語り継がれていった。
そして、その都市伝説は、人々に勇気と希望を与えるようになり、小さな町は再び活気に満ちあふれる。かつての少年たちは、少女とともに過ごした思い出を胸に秘め、未来へと歩み続けるのだった。
これが、鏡の迷路にまつわる都市伝説の終焉である。少女の願いが叶い、町が再生したことで、彼女の魂は永遠の安息を得たのだろうか。
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