ある日、都会の中心に突如として現れた超高層ビル。その名も「エンドレス・タワー」。地元住民たちは、いつの間にかそこに存在するようになったこのビルを不審に思い、一部ではその噂が都市伝説として語り継がれるようになりました。
そのビルの一番の特徴は、なんといってもエレベーター。とあるエレベーターは、どんなに上下に移動させても、どこにも停まることがなかったのです。そして、どんどん高さを増していくビルの最上階には、誰もたどり着けないと言われていました。
ある夜、無謀な若者たちが「エンドレス・エレベーター」に挑戦することになりました。その中には、噂好きなジョウジと、彼に心酔するリカという少女もいました。
ジョウジは「俺たちがこのエレベーターの謎を解明すれば、有名になれるぞ!」と、興奮気味に言いました。リカはジョウジを信じて、彼とともに挑戦を決意します。
彼らがエンドレス・タワーに向かう途中、道端のおじいさんに出会いました。そのおじいさんは、不安そうな顔で彼らに警告しました。
「あのエンドレス・エレベーターに乗ると、二度と降りられなくなるらしいぞ。誰かが乗って行方不明になったって話も聞くし、気をつけた方がいい…」
しかし、ジョウジたちはおじいさんの言葉を無視し、エンドレス・タワーに向かいました。そして、ついにエンドレス・エレベーターの前に立ちました。彼らは勇気を振り絞り、その扉を開けました。扉の向こうには、普通のエレベーターの中と何ら変わりない空間が広がっていました。
しかし、エレベーターのボタンには何も表示されておらず、彼らは戸惑いました。それでも彼らは踏み込み、扉が閉まるとともに、エンドレス・エレベーターの旅が始まったのでした。
…
エレベーターはどんどん上昇し続け、ジョウジとリカは窓の外に広がる景色を眺めていました。どんどん高くなるビルの中で、彼らは次第に不安を覚え始めました。リカはジョウジの手を握りしめ、恐る恐る言いました。
「ジョウジ、本当に大丈夫?もう止めた方がいいんじゃない?」
しかし、ジョウジはリカを励まし、諦めるわけにはいかないと言いました。
「大丈夫だよ。俺たちがこのエレベーターの謎を解明すれば、有名になれるんだから!」
しばらくして、エレベーターが突然停止しました。彼らはほっとしたものの、その瞬間、扉が開くと同時に、彼らの目の前には異次元のような空間が広がっていました。そこには、一面に鏡が並んだ部屋と、その奥にある不思議な光が見えました。
ジョウジとリカは、エレベーターを降りて鏡の部屋を進み始めました。しかし、どれだけ歩いても、鏡に映る自分たちの姿が繰り返されるだけで、一向に進むことができませんでした。
リカは恐怖に震えながら、ジョウジに言いました。
「もう戻りたい…ここは何かおかしい」
ジョウジもまた、リカと同じく恐怖にかられていましたが、彼は心を奮い立たせて言いました。
「大丈夫だ。きっとどこかに出口があるはずだ。もう少し進んでみよう」
そう言って、彼らはさらに奥へと進みました。すると突然、鏡の中から見たことのない怪物が飛び出し、彼らに襲いかかってきました。怪物は、リカを連れ去ろうとしていました。
ジョウジはリカを救うため、必死で怪物と戦いました。そして、辛うじて怪物を倒すことができましたが、彼らは鏡の部屋から抜け出すことができず、絶望に打ちひしがれました。
…
しかし、その時、光が強くなり、彼らの前に現れたのは、先ほどの道端のおじいさんでした。おじいさんは優しく微笑みながら、彼らに言いました。
「勇気を持って挑んだお前たちを助けてやろう。しかし、この先にはもっと厳しい試練が待っている。それでも進む覚悟があるのか?」
ジョウジとリカはおじいさんの言葉を受け、互いに目を見つめ合いました。そして、二人は固い決意を胸に、おじいさんに頷きました。
おじいさんは鏡の部屋の中心に立ち、不思議な呪文を唱えました。すると、鏡の部屋が光に包まれ、彼らは再びエンドレス・エレベーターの中に戻されました。
「ありがとう、おじいさん…」リカは感謝の言葉を述べましたが、おじいさんは消えていました。
エレベーターは再び動き始め、彼らはどんどん上昇していきました。そしてついに、最上階に到着しました。扉が開くと、そこには美しい光景が広がっていました。空に浮かぶ庭園のような場所で、美しい花々が咲き誇り、幻想的な光が溢れていました。
ジョウジとリカは、その場所で互いの手を取り合い、幸せそうに笑いました。しかし、その瞬間、彼らの前に現れたのは、エンドレス・タワーの支配者であるという美しい女性でした。
「お前たちは、このタワーの試練を乗り越えた最初の者たちだ。だが、ここから出るには、お前たちの最も大切なものを犠牲にしなければならない」
彼女の言葉に、ジョウジとリカは動揺しました。しかし、彼らは互いに覚悟を決め、最も大切なものを犠牲にすることを選びました。
その瞬間、エンドレス・エレベーターは、彼らを地上に戻してくれました。彼らはタワーの外に出た瞬間、現実に戻ってきたことを実感したのでした。
つづく
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